2010年9月2日木曜日

Bernard Buffet

今、目の前の壁にベルナール・ビュフェの版画がある。フランスでは高級魚とされていてよく料理に用いられる「サン・ピエール」という魚を題材にしたドライ・ポイントだ。銅板を鋭利な道具で引っ掻いて凹版を作る版画技法の一つ。力強い線描画が印象的だ。このビュフェ独特の線描画は唯一無二の独創だとつくづく思う。少しでも類似的な行為をしようものならただ「真似をしている」様にしか見えない。

物作りにおいて独自の表現方法を確立するのは至難の業だ。シンプル・イズ・ベストだがただシンプルなだけでは駄目だ。そこには必ず「個」の存在が必要だから。その道に足を踏み入れたなら、たぶん一生もだえ苦しむ事になる。

さて、「オマール・ブルー」は少し肩の力を抜いてこんな料理になりました。ヴィジュアル以上に口の中で弾ける味と香り。皿はJ.L Coquet HEMISPHERE で。