2010年9月8日水曜日

Camera

この仕事を始めて意外だったのは撮影に立ち会う機会が多かったことだ。とても有難いことだけれど雑誌などの取材を受けると大体の場合、料理や店舗の写真撮影がある。場合によっては自分自身の撮影もある。たまにテレビの取材も受ける。今年の6月もBS日本テレビの「スペシャリテ紀行‐皿の上の物語」というドキュメンタリーの仕事をさせていただいた。制作スタッフの皆さんはこのロケで高松に丸5日間はいたのではないだろうか。我々を交えての撮影は3日間あった。コマーシャルを抜いて実質40数分の番組を撮るのに30時間近くカメラを回した。その編集の厳しさに驚いた。制作会社イーストのディレクター天野さんは「この世界では10聞いて9捨てろと言うんですよ」とおっしゃっていたがまさにその通りだ。そしてほんの数秒間の映像にここまでこだわるのか、という仕事ぶりだった。僕はいつも「やるからには全力投球、出来る事は全てやる」を目標としているので制作スタッフのそのこだわりがとてもうれしかったし励みになり刺激になった。だから僕たちはカレーライスや讃岐うどんを手作りして制作スタッフをもてなした。同じ釜の飯を食うてっこんな感じだな、と思った。朝から夜中の24時まで店舗で撮影をして翌朝2時に一睡もしないで志度の漁港で待ち合わせ、漁船内での撮影、そして5時に高松中央卸売市場、8時に一旦店舗に戻り俳優の石井正則さんを交えて撮影、車で外に出て生産者の方たちと畑などで夕方17時まで撮影、撮り終わっていない料理などを夜23時過ぎまで撮影・・・。久しぶりに徹夜した。しかしその殆どが編集でカットになる。彼らはそれを知りながら撮影しているのだ。良い物を作り上げようという情熱が彼らをそして僕を突き動かす。


本当にありがとうございました。