2010年11月3日水曜日

Bibliographie 2 [Le Repertoire de la Cuisine]

「Le Repertoire de la Cuisine」 par TH. GRINGOIRE ET L. SAULNIER

「フランス料理総覧」 辻静雄監修

この本の原書は「Le Repertoire de la Cuisine」で僕はその復刻版を所蔵している。「Depot et Vente」寄託と販売が「DUPONT et MALGAT - GUERINY, Successeur」とあり、その「QUARANTE DEUXIEME EDITION」、すなわち第42版だ。「Successeur」後継者、相続人という意味だから「DUPONTとMALGATそしてGUERINY 」が後継者となる。面白いのはその下にある「Specialiste de vetements pour cuisiniers」の部分。直訳すれば「料理人の服の専門家」。コック・コート屋さんなのか。「40, Rue Coquilliere 75001 PARIS」と住所も出ているので現存するかそのうち調べてみようか。

「I.S.B.N.2-904578-02-1」、「Depot legal no 12141」だ。「Depot legal 」は「国立図書館などに対する出版物の法定納本」だがインターネットでサーチしてもこの本を見出すことはできない。「ISBN」国際標準図書番号でも出てこない。原書の巻末に記されている通りなのだけれど。

この本の「PREFACE」序文には「1914.3.8. ロンドンにて、 T.G.  L.S.」とある。これは原書の表紙にある「TH. GRINGOIRE ET L. SAULNIER」のことだと思われる、僕の手元にある故辻静雄先生の監修で出版された「<フランス料理総覧>三洋出版貿易株式会社・昭和46年‐初版発行・昭和58年‐増補(牽引)十版発行」には著者であろう2人、「T.G L.S」についての記述がない。

表紙や中扉からわかることはそんなところだ。

とにかく、我々の世界の定番だった「フランス料理総覧」はとても興味深く、かつ今後も研究意欲をそそられる書籍だ。しかしさすがに調理場で手元におく料理人は少なくなって久しいだろう。かつて故村上信夫氏が「私はこれ一冊あれば料理を作るのに困りません」とおしゃっていたのが印象的だ。

「A. ESCOFFIER」の「Le Guide Culinaire Paris 1902」は「Le Repertoire de la Cuisine」のような要約版ではない、むしろ大作で細かいルセットを分析しやすいので今でも紐とく料理人は多い。