2010年11月4日木曜日

Bibliographie 3 [Restaurant de Paris]

「パリの料亭(レストラン)」 辻静雄著

そもそも、僕が料理文献に興味を持ち出したのは1972年に柴田書店より出版された故辻静雄先生の「パリの料亭(レストラン)」という単行本が1982年に新潮文庫から文庫化され、更に1983年に再版された第2版を手にとったのがきっかけだった。この本に掲載されているレストランのいくつかはまだ現存し、ミシュランの星を維持している。既に閉店したり所有者が変わったりシェフが移転とともに店名を変えている店もあるが、当時これらのレストランの調理場でコミやアプランティとして就労していた人物が今日のミシュランの星を獲得しいて、当時の修業先より更に高い評価を勝ち得ていたりするところに時代の変遷を感じる。
         
この本の「あとがき」前部に「きわめて個人的な参考書目解題」という項目があって、「フランスのレストランで使われている料理技術に関する方法論を歴史的に比較参考するための参考書」とあり、多くの主にフランスの洋書が記されている。その後、僕はこの本を持ってフランスの古書店を巡ることになったのだ。