雨が続き魚が品薄だ。おまけに天然の鯛が選びづらい状態に変わりはない。しかし瀬戸内海はいつも僕を助けてくれる。実に豊富な魚種がいるから。
1尾で4キロ超の「マナガツオ」がやってきた。極上物だ。骨が軟らかく捌くのが難しいとされる魚だけれど僕は東京時代からずいぶんと扱ってきた。関西と関東では同じ魚でもランクや扱いに差がある。やはり京料理の影響下に距離では近い分、「マナガツオ」は香川でも極上高級魚の部類だ。フランス料理の料理人なら解る感覚だと思うけれどこの魚は「赤ワイン・ソースに合う白身魚」だ。その恐るべきポテンシャルは僕のクリエイション魂を刺激してやまない。