フランス産の「冬黒トリュフ」の多くは「Tuber melanosporum」で品質が良い。次に「Tuber brumala」という品種も若干だが混ざって流通する。特徴を知れば見分けがつく。
僕は今のところ使うことはないが中国産の「Tuber himalayense」という「黒トリュフ」も輸入されている。品質は劣るが価格は安い。中国産はすぐに見分けがつくので混乱はしない。
春、1月から4月にイタリア産の「春トリュフ」として「白トリュフ」の仲間「Tuber albidum pico」というものがあるが数は非常に少ない。日本ではあまり見かけない。
そして「夏トリュフ」は5月から9月までフランスやイタリア産の「Tuber aestivum vitt」だ。
10月の「秋トリュフ」は「Tuber uncinatum」でシャンパーニュやブルゴーニュでもとれる。そして「Tuber mesentericum」というどちらかといえば「夏トリュフ」に近い品種もある。
秋に収穫した「冬黒トリュフ」を「秋トリュフ」とすることもありとてもややこしい。勿論、冬のあの香りは無い。
10月にはイタリアから「白トリュフ」がやってくる。「Tuber magunatum pico」だ。大型のものが多く1個が300g~500gもあるものも珍しくない。2kgにもなるものも存在する。
19世紀には「フォア・グラのパテとペリゴールの黒トリュフ」の組合せがフランス料理の象徴のようになった。しかし忘れてはいけない。17世紀にヨーロッパにその名を轟かせていたのは「ペルドリーのパテとペリゴールの黒トリュフ」なのだ。
これも僕の道しるべ。