先週の土曜日は日中から白いものがちらちらと舞っていた。
ここのところの高松はとても寒く、積もったりはしないけれど雪が舞う日も少なくなかった。陽の光があるのに雪が降っている光景を今年は何度も目にすることがあった。そしてそんな雪は長くは続かずにすぐに止むのだった。
しかし土曜日の夕方はいつも違っていた。もの凄い密度の雪が舞いだすとたちまち山の表面は銀色に覆い尽くされてしまった。
完全に征服されてしまうと、僕たちはもうその山から離れることはできなくなるのだ。雪に追いかけられるように坂道を転げ落ち、あわてて逃げださなければならない。寒さに震える子供たち手をぎゅっと握って無言で恐る恐る、銀色に吸い込まれないように慎重に・・・。
と思ったら雪は止み、素晴らしい光景を僕たちの前に見せてくれたのだ。
とても温かな雪だった。